ステルスマーケティング規制が10月から始まります

ステルスマーケティング規制

ステルスマーケティングってご存知でしょうか?

事業者畝いするサイトであることを隠して、
「おすすめ商品比較」などと言う記事で、自社商品に誘導したり、

事業者が、第三者に金銭を払って、(客観的意見のように見せかけて)
自社商品に都合のよい口コミや投稿をさせることです。

インフルエンサーと呼ばれる人(フォロワーが数万人いるブロガーなど)に
企業がお金を支払って、「客観的な評価であるかのように装いながら」
商品の良さをアピールして誘導したりすること・・・

これがステルスマーケティング(ステマと呼ばれます)です。

お金を払って、口コミサイトに「高評価」をつけたり、
逆に、競合店に「低評価」を沢山いれたり・・・

このように「独立した意見であるかのように装って」
金銭をうけとって、商品の評価を左右するのがステマです。

私たちは、何かを買おうとしたりする際に
レビューや口コミを見て判断することが多いと思います。

でも、
一般の人の意見だと思っていたら
お金をもらった人々の意図的な評価だとしたら?

「騙された!」ということになります。

じつは、こうしたことが蔓延してしまっているのが日本の現状です。

なぜなら、これまで日本ではステマは野放しで
なんのお咎めもなかったからです。

インフルエンサーの多くがステマで儲けている!

消費者庁のステマ検討会のアンケート調査によると
インフルエンサーの41%がステルスマーケティングを企業に持ち掛けられ
その内の45%が「実際にステマを行った」とのこと。

ステマを依頼されたインフルエンサーの45%がステマ行っている

また、同検討会のヒアリングでは
インフルエンサー投稿の20%程度がステマだと思われる(広告代理店)
などの聞き取り結果が紹介されており

私たちが日常的に目にしている口コミ・レビューが
相当程度、金銭を受けて書かれ、投稿されたものとなっているようなのです。

それはそうでしょう。

規制がなく、別に違法なことでもなければ
「多少、内心では、こんなことやっていいのか…」と思ったとしても
ビジネスとして割り切ってやる人・企業が増えるのは、ある意味当然です。

先進国で、唯一、ステマ規制がない日本。

ネット情報は、かなり歪んだ状態になってしまっているのです。

導入されるステマ規制の中身

欧米から遅れること10年以上で
ようやく日本にもステルスマーケティング規制が導入されることになります。

10月から規制が始まり
違反すると、是正勧告が出され、企業名が公表されます。

規制対象となるのは
依頼した「事業者」

金銭を受けてステマ行為を行ったインフルエンサー・企業は
規制対象外です。

欧米では、依頼した側・受けた側の両方が、処罰の対象なのですが…

ただし、少なくとも、依頼側に規制がかかることで
野放しだったステマの一定の歯止めにはなるでしょう。

必ず「PR」「広告」などを明示する

金銭を受けて、企業の商品をインフルエンサーなどが宣伝すること自体は、問題とされません。

ただし、金銭を受けて広告としての記事であることなどを
閲覧者が一目見てわかるようにしなければなりません。

客観的に・独立した意見であるかのように偽装してはいけない、ということです。

こうした場合は、かならず
「○○会社の依頼を受けてこの記事を書いています」
などと明示するか
「PR」などの文字を、目立つように表記するかが必要です。

事業者自体が、
自社が運営しているサイトに、そのことを隠して
客観的な評価であるかのように、商品誘導することもステマになりますので
処罰対象です。

この規制が、形だけでなく
きちんと運用されて
歪み切ったレビュー・口コミなどのネット情報が
少しでも浄化して行くことを願うばかりです。

ステマ規制とは?その背景とこれからの注意点